兌、亨、利貞。
兌は亨る。貞しきに利し。
兌は通る。正しく固く守るのがよい。
沢は万物を潤して喜ばせるもので、また坎の水の下の流れ口をふさいで溜めた形でもある、と朱子は二つの像を挙げます。卦の体は内が剛で外が柔なので、剛が中にあるから喜んで通じ、柔が外にあるから正しさを守るのがよい、と読みます。喜びには通じる道がありますが、みだりな喜びは戒めなければならないので、この占断になります。外の柔を通じる理由、中の剛を正しさを保てる理由とする、もう一つの読み方も朱子は添えています。
K-magpie › カササギ診断 › 今日の卦 › 兌為沢
喜びが外に表れる姿を表す卦です。喜びは通じやすいものの、みだりな喜びは戒めるべきだと朱子は読みます。
兌為沢(だ)は、上も下も兌(☱、沢)の卦です。説卦伝は兌の性質を「説(よろこび)」とし、朱子は一つの陰が二つの陽の上に進み出て、喜びが外に表れた形と見ました。沢は万物を潤して喜ばせるものです。内に剛、外に柔を備えて喜びは通じますが、みだりな喜びは戒めなければならない、というのがこの卦の筋です。
卦全体に掛かる言葉です。変爻がないときに読みます。
兌、亨、利貞。
兌は亨る。貞しきに利し。
兌は通る。正しく固く守るのがよい。
沢は万物を潤して喜ばせるもので、また坎の水の下の流れ口をふさいで溜めた形でもある、と朱子は二つの像を挙げます。卦の体は内が剛で外が柔なので、剛が中にあるから喜んで通じ、柔が外にあるから正しさを守るのがよい、と読みます。喜びには通じる道がありますが、みだりな喜びは戒めなければならないので、この占断になります。外の柔を通じる理由、中の剛を正しさを保てる理由とする、もう一つの読み方も朱子は添えています。
『象伝』が上下二つの卦の象から卦全体を説いた一文です。
麗澤、兌。君子以朋友講習。
麗沢(りたく)は兌なり。君子以て朋友講習す。
二つの沢が連なるのが兌である。君子はこれにならい、友と語り合い、学び習う。
二つの沢が並んで、互いに潤し合う姿です。朱子は、友と語り合い学び合うことがまさにその像だと注します。一方が他方を潤すだけでなく、双方が益を受けるところに、兌の喜びの一つの形が見られます。
一番下の初爻から一番上の上爻まで順に載せました。爻名の九は陽爻、六は陰爻を表します。
和兌、吉。
和して兌(よろこ)ぶ。吉。
和やかに喜ぶ。吉。
初九(しょきゅう)は陽の爻で、喜びの卦の一番下にいて、特定の相手に結びつく応じもありません。朱子はこの位置から、偏りなく和やかに喜ぶ像を見て吉としました。誰かに取り入るための喜びではない、という点がこの爻の特徴です。
孚兌、吉、悔亡。
孚ありて兌ぶ。吉にして悔亡ぶ。
まことをもって喜ぶ。吉であり、悔いが消える。
中にある剛をまことのしるしとし、陰の位にいることを悔いのもととする、と朱子は注します。まことをもって喜ぶならば吉で、悔いも消えるという読みです。位置からくる弱みを、内のまことが打ち消す構図になっています。
來兌、凶。
来たりて兌ぶ。凶。
自分から寄って来て、喜びを求める。凶。
陰柔で中正を得ず、下の兌の主となる爻です。上に応じる相手がいないので、かえって下の二つの陽のほうへ寄って来て喜びを求めます。朱子はこれを凶の道としました。自分から近づいて喜ばれようとすることの危うさが、短い言葉で示されています。
商兌未寧、介疾有喜。
商(はか)りて兌ぶ。未だ寧(やす)からず。介(かい)として疾(にく)めば喜びあり。
何を喜ぶべきか思いはかって、まだ落ち着かない。きっぱりと正しさを守り、よこしまなものを憎めば、喜びがある。
上には中正の九五がおり、下には柔らかくよこしまな六三が隣り合っているので、どちらを喜ぶか決めかねて思いはかり、落ち着きません。けれども本来は陽剛の質なので、きっぱりと正しさを守ってよこしまなものを退ければ喜びがある、と朱子は読み、深い戒めの言葉だと注しています。
孚于剝、有厲。
剥(はく)に孚すれば、厲うきことあり。
削り取ろうとする者を信じれば、危うい。
ここでの剥は、陰が陽を削り取ることを指します。九五は陽で中正ですが、喜びの時に尊い位にいて、すぐそばに上六(じょうりく)がいます。上六は喜びの極みにあって、みだりな喜びで陽を削る者なので、それを信じれば危うい、と朱子は戒めだけを述べています。立場が正しくても、何を信じるかで危うさが生まれる例です。
引兌。
引きて兌ぶ。
人を引き寄せて、ともに喜ぼうとする。
上六は喜びを完成させる主として極みに居り、下の二つの陽を引き寄せて共に喜ぼうとしますが、相手が従うとは限りません。そのため九五には戒めがあり、この爻自体には吉とも凶とも言わない、と朱子は注します。結果が相手しだいである喜びの姿です。
今日の卦でこの卦が出たとき、何を読むかは変爻の数で変わります。変爻がなければ卦辞を、一本ならその爻の爻辞を読み、複数なら朱子『易学啓蒙』の規則に従います。
原文:『原本周易本義』四庫全書文淵閣本(漢籍リポジトリ KR1a0031 の翻字。校訂・句読:K-magpie)。書き下し文・現代語訳・解説:AI(Claude)が朱子『周易本義』の注をもとに書き、原文・注と照らして直しました。出典と校訂一覧は今日の卦の案内にあります。